nasneにMacで初期化した外付けHDDを増設する方法

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 先日Amazonのタイムセールで外付けHDDが安く売っていたので、慢性的な容量不足状態だったnasne用に購入した。そこで、nasneに外付けHDDを増設する際の、ハードディスクの選択基準からMacでのフォーマット変更の方法、nasneへの登録までをまとめた。

接続可能なHDDの仕様確認

 まずnasneに接続可能なHDDの仕様について確認する。公式のオンラインマニュアルによると、接続はUSB2.0でフォーマットはFAT32、パーティションは1パーティション構成のみに対応となっている。

"ナスネ"は、次の種類の外付けハードディスクを接続できます。 バージョン: USB2.0 フォーマット: FAT32 パーティション複数パーティションで区切られたハードディスクには非対応

 最大容量は2TBであると言われているが、公式な情報は見つけることができなかった。また、3TBや4TBのHDDをFAT32形式にフォーマットして利用している成功例もそれなりに報告されている。しかしながら、2TB以上のFAT32フォーマットは規格標準から外れたフォーマット方法らしく、nasneが正式に対応しているかどうか、今後のファームウェアでも引き続き対応するかどうかは不明である。

 空き容量さえあれば無限に録画が出来るわけではなく、録画可能な番組数が最大1000件という上限がある。

"ナスネ"に録画できる番組数は最大1000件、録画予約数は最大100件です。

 接続可能な台数は1台のみで、別の外付けハードディスクにつなぎ変えて登録してしまうと、元の外付けハードディスクに録画していた番組は視聴出来なくなってしまう。

1台の"ナスネ"に接続できるハードディスクは1台です。別の外付けハードディスクを接続して登録すると、1台目の外付けハードディスクの登録が削除され、1台目に保存されている録画コンテンツはすべて使用できなくなります。

 ちなみに、PS3などのtorneアプリではnasneの内蔵HDDと外付けHDDのどちらに録画するかは選択できない仕様になっており、「予約した番組が内蔵HDDと外付けHDDのどちらに録画されるか分からない」という状況が発生しうる。

各PS機器でのTVアプリケーション「torne(トルネ)™」を使う場合は、録画先として本体内蔵 HDD/外付け HDD を選択することはできません。

 一方で、「特定の録画した番組が内蔵HDDと外付けHDDのどちらに存在するか」はCHAN-TORUによって確認可能。CHAN-TORUの録画リストのページにおいて、各番組の末尾にHDDもしくはUSBHDDの記載がある。

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HDDの選択

 上記の情報を踏まえて、nasneに接続するHDDを選択する。

 結論から言うと、おススメは容量2TBの2.5-inch外付けHDDである。理由を箇条書きする。

  • 1台しか繋げず、他のHDDに変えると元のHDDの録画番組は見られなくなってしまうため、将来繋ぎ替えが起こらないようはじめから最大容量にした方がよい
  • 2TBより大きいFAT32フォーマットへのnasneの対応が不透明であるため、2TB以下のHDDを使いたい
  • OS Xに標準搭載されているディスクユーティリティ.appでは2.2TB以上のHDDをFAT32で初期化できないらしく、裏返せば2TB以下ならば別途サードパーティアプリケーションを用意する必要がない
  • 2.5-inchのHDDはUSBバスパワー駆動できるため電源いらずで、3.5-inchのHDDに比べ省スペース&低騒音
  • バスパワー駆動可能な2.5-inch HDDには、2TBより大きい容量のものがない

 容量の選択についてだが、録画可能番組数の制限も関係してくる。仮に、nasne本体1TBと外付けハードディスク3TBの計4TBの記憶容量に、地上デジタル放送の30分番組のみを3倍モードで録画していった場合、1番組あたり約2GBなので1000番組だとざっくり2TBとなり、ハードディスク容量の上限よりも録画番組数の制限に先に達することになる。余った記録容量は録画以外でNASとしては使えるはずだが、純粋なハードディスクレコーダーとしての運用を考えているならば、3TBの増設は容量が無駄になる可能性がある。

 自分が使っているのは、WD Elements Portableの2TBだ。記事執筆時点でAmazonで販売している2.5-inchの外付けHDDの中で一番人気になっている。

MacによるHDDのフォーマット変更

 ここからは、実際の外付けHDDの増設方法を記述していく。

 上記WD Elements Portableは出荷時はNTFS形式であり、そのままではnasneの外付けHDDとして利用することができない。そこでまずMacに接続し、OS Xに標準で搭載されているディスクユーティリティ.appによってFAT32にフォーマットを変更する。

 フォーマットを変更すると、保存されていたデータは全て失われる。フォーマットするHDD内に失いたくないデータがある場合はあらかじめバックアップをとっておく。

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  1. ディスクユーティリティを起動
  2. ディスクを選択
  3. Erase(消去)のタブを選択
  4. Format(フォーマット)は「MS-DOS (FAT)」、Name(名前)は適当なものでよい
  5. Erase(消去)をクリックしてディスクを消去

 消去は自分の場合数秒で終了した。フォーマットの変更は以上。なお、HDDのアクセスランプの点滅が気になる場合は、ビニルテープなどで覆うとよい。

参考

nasneへの接続と登録

 フォーマットを変更したHDDをUSBケーブルでnasne背面のEXT HDD端子へ接続する。接続の際は、必ずしもnasneの電源を切る必要はないようだ。nasneの電源を入れ、PS3torneを起動した状態でHDDを接続したが問題は起こっていない。この点については公式での言及もなく、USBデバイスであるため基本的には問題はないはずだが、仮に問題が起こっても当方では保証しない。

 nasneの外付けHDDは接続しただけでは録画先に使用できない。登録作業が必要である。登録方法には2通りあり、ひとつは同じネットワーク上の機器からnasneの設定画面であるnasne HOMEにアクセスして、ハードディスク管理から登録する方法である。

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nasne HOMEのハードディスク管理を開いたところ

"ナスネ"と同一のホームネットワークに接続された機器から「nasne™ HOME」を起動し、[ハードディスク管理] > [外付けハードディスクの登録と削除]で[登録]を選びます。 「nasne™ HOME」の起動方法はこちらをご覧ください。 外付けハードディスクが登録されると、同一のネットワークに接続された機器に「share2」として表示されます。

 もう一つは、PS3などのtorneアプリで設定する方法。メインメニューからセッテイ > nasne設定と移動し、HDDを接続したnasneを選択。続くリストのハードディスク設定から登録する。

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nasne設定画面とHDD登録後のハードディスク設定画面

 以上のどちらかの方法による登録を行うことで、nasneへの外付けHDDの増設が完了。作業自体は10分足らずで終了するので、nasneの容量不足に悩んでいる人はぜひお試しを。