新型PS3 CECH-4300に関する噂まとめ【2014.09.02追記】

2014.08.18 追記
2014年8月18日、SCEJAが新型PS3、型番CECH-4300Cを発表。

 先日、自分の持っているPS3 CECH-2000が、YLOD (Yellow Light of Death)というPS3では有名なマザーボードのはんだ不良で起動できなくなった。ネット上の情報を元になんとかマザーボードをオーブンで焼いて修理することができたが、いつでも再発の可能性があるらしい。torneで録り溜めた番組を無駄にしないためには、PS3を買い替えてデータを移行する必要がある。

 そこで、購入に踏み切る前にPS3の新型の情報について調査したのでその結果をまとめる。

そもそも開発されているのか

 そもそも新型が開発されているのかという問題だが、結論から言うと新型は開発されており発売に向けて準備が進められているようだ。

 根拠となりそうな情報は以下の3つ

 上記認証機関は公的な機関であることもあり、情報の信憑性は高い。

 また、Googleで「PS3 CECH-4300」というキーワードで検索すると、上位にローソンのページがあり、CECH-4300B LWという型番の製品が懸賞の商品として掲載されているが、ローソンからSCEの情報が漏れること自体考えにくく、ローソンの単なる掲載ミスである可能性も大きいため信頼性は低いと考えられる。ちなみに、今現在はローソンのトップページからリンクを辿ってこのページを開くことはできない。

 今年6月のインタビューにおいて、SCE社長のアンドリュー・ハウス氏は、ヨーロッパや新興国でまだPS3普及の余地があると述べており、まだしばらくPS3プラットフォームを推進する意向であることが伺える。

 PS3からの移行については、正直、地域による違いがかなり見えてきました。
 移行が特に早いのは、アメリカ市場です。多少残念ながら、PS3の売り上げは前年に比べ売り上げが大幅に落ちてしまっているのですが。
 ヨーロッパについては、SCEの定義ではかなりバラエティに富んだ国々が含まれるため、まだまだPS3もかなり売れています。日本も同じ状況です。ヨーロッパを含め、新興国では、価格設定も含め、まだまだPS3が広がる可能性はあると思っています。

 以上より、型番CECH-4300番台の新型PS3は発売に向け開発が進められていると考えてよいだろう。

予想される変更点

 そうなると次の問題は、どこが変わるのかである。

 現状予想されるのは主にアンテナとCellプロセッサの2つ。

アンテナ

 情報源はFCC認証の資料。

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 マザーボードにプリントされた板状逆Fアンテナ1つと、USBポート付近にネジ留めされた逆Fアンテナ2つの計3つという構成は変わらないようだが、役割が変わるようだ。これまではBluetoothが2つの逆Fアンテナのうちひとつを利用し、残る2つを2.4GHzのWi-Fiが使用していたが、FCC認証の資料によるとBluetoothが板状逆Fアンテナを使うようだ。

 また、Bluetoothアンテナの利得がわずかに増加しているようである。

Cell B.E.

 PS3にはCell B.E.と呼ばれるCPUとRSXというGPUが搭載されている。現行のCECH-4200シリーズはそれぞれ45nm、28nmのプロセスルールで製造されていると言われており、Active時の消費電力はシステム全体で70〜80Wである。

 新型PS3ではこのCellプロセッサが22nmにシュリンクされている可能性がある。

 2013年4月に、ビジネス系のSNSであるLinkedInにて、IBMの技術者が自身の経歴欄にPS3向けの22nm Cellプロセッサ開発について記載していることが話題となった。また、2013年6月にテクノロジー系の記者(?)が、2014年に22nmのCellと28nmのRSXを載せた新型が計画されているという情報をツイートしている。

 IBMは今年既に22nmのPOWER8プロセッサを出荷しており、製造能力自体は既に有していることがわかる。一方のSCEも、今年からクラウドゲーミングサービスのPlayStation Nowを開始することもあり、低コストで省電力なPS3システムを必要としているだろう。PlayStation Nowではサーバーにカスタム版のPS3を利用しており、順調にユーザー層が拡大すれば、それだけ大量のCellプロセッサが必要となる。よって、PS4発売後のこの段階であっても、PS3へ投資する理由としては十分である。

-そう考えると、PS Nowが単純に「PS4でPS3のバックワード・コンパチビリティのために使われる」と理解するのは不完全である、ということですね。テレビも含めた、カジュアルなデバイスでの利用拡大が目的である、と。
ハウス:はい、ユーザー層拡大が、まず第一の目的です。

 仮に本当に22nmのCellが搭載されれば、一気に2世代分のシュリンクが行われることとなり、Active時50W台も夢じゃない……かも。

 また、省電力化しても筐体デザインは変わらないと考えられる。変更されるのであれば、SCEの過去の例を鑑みるに型番がCECH-5000となるはずだからだ。

予想される発売日

 残るはいつ発売されるのかという問題だが、過去を振り返ると、CECH-2000以降では技適取得後2週間から2ヶ月経過してから発売という流れのようである。CECH-4200は2013年4月8日に初めて技適取得、その後同年7月24日に再取得したあと、日本では8月下旬から順次出荷となった。

 よって、ここから単純に考えれば、SCEから再度技適の申請が無い限り、いつでも発売の可能性がある。PS4新色のグレイシャー・ホワイトDestiny Packの日本発売が 今秋 9月11日*1とのことなので、それと同時というのが最も自然だと考えている。

 ということで、今年一杯は新型を待ち、それまでは修理したPS3でなんとか凌ぎたいと思う。

更新履歴

2014.07.16 記事投稿
2014.07.19 PS4グレイシャー・ホワイトの発売日を9月11日に更新
2014.08.18 新型PS3、CECH-4300C発表についての記事のリンクを追記
2014.09.02 リンクタイトルの修正、関連記事の追加

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